人生カレンダー
大人になりたかった毎日のカレンダーは
僕の手で破ったものだった
ある日ちょっとした気配に背後を振り返った
僕は破り捨てられた日々が
巨大な山となって追ってくるのを見た
僕は怖くて手を止めた
そのときから僕の破った覚えのないカレンダーが
溜まっていった
ときたま振り返っては 恐怖を感じた
もう一度 僕の手でカレンダーを
破らなければと何度も思い
破ろうと何度か思い
たった1枚
破くのがどれほど難しかったのだろう
その1枚 破ったらどんなにせいせいしたことだろう
そう思っているうちに
また破った覚えのないカレンダーが溜まっていった
やっと自らの手で破る決意をしたとき
僕の手は もうそれだけの力を余していなかった
何よりも それだけのカレンダーが残っていなかった