史の詩集(続)Fuhito Fukushima

福島史(ふくしまふひと)の詩集の続きです。

祈り     0062

祈り

 

私の涙が白い丹前に

うす紅に染まりました

レモンの香ほりが、天に昇って

小さな星粒になりました

絹のなめらかさが

つとおいた私のくすり指を切りました

ポツリとこぼれた鮮血は

あなたにはじかれました

 

美しいもの 冷たいもの 幼いものに

罪はないのです

温情です

人の純潔さを汚すのは

 

あなたは北風の声

空の高いところをわずかにかすらします

私は積雪に目隠しをされた大地

余韻のない鐘の響きがたまらないのです

 

陽ははるかに遠いところにいるのです

いるのです いるのです いるのです

なればこそ

私は祈るのです