史の詩集(続)Fuhito Fukushima

福島史(ふくしまふひと)の詩集の続きです。

愛しき人に     0063

愛しき人に



僕は美しいものを愛します

日本の山、川、空、海、そして あなた

 

あなたは沈黙によって

忘却の彼方へ逃れようとするのですね

確かに僕の愛は薄れゆき

あなたは消え去り始めています

 

でも僕が生きている限り

僕の過去は存在します

そして そこにはあなたの他に

何があったというのでしょう

 

僕は自らの愛を

あなたに使い尽くしてしまいました

あなたが去って

僕の愛も去りました

 

悲しいのは

あなたが振り向いてくれないからではありません

振り向くと期待して立ち去れないでいる自分です

 

うつろな暗闇の中で

朽ち果てた過去も

1本のろうそくの火のように

あかあかと灯るものです

幻想をおびて 

これほどまで美しく

 

はー

何も考えることがないから

あなたのことを考えているだけですよ

それ以上の何でもありません

何でも