あなたがいたから
あなたの住んでた この街は
今も 何一つ 変わっていない
ちょっとした気まぐれに
誰も降りないこの駅に
なつかしさに誘われました
あなたと入った喫茶店に入り
あなたの好きだったクリームを食べ
あなたがいたから ぼくがいた
そんな時代がありました
あなたと出会った この街は
今も 夕やけに映える並木通り
することもなく 行くとこもなく
何度も往復したものでした
あなたと話したベンチに座り
あなたの髪を流した風の匂い
あなたがいたから ぼくがいた
そんな時代がありました
あなたと別れた この街は
今も プラタナスの花がきれい
今日は思い出拾い
最後にのぼった かの丘で
思いきりあなたの名を呼びました
あなたと戯れたプールをみつめ
あなたのくちずさんだ歌が
あなたがいたから ぼくがいた
そんな時代がありました
すべては遠い昔
おとぎ話となったけど
あなたのいない この街に
今もあなたがいるようでした