史の詩集  Fuhito Fukushima

福島史(ふくしまふひと)の詩集です。

焼けぼっくい     535

焼けぼっくい

 

君の後ろ姿

何気なく横目で盗んでた

身動きせぬ 赤いカーディガンが

いつの間にか 息づいて

温かいものが 僕に 再び

 

手に包むと 壊れてしまいそうな

君の後ろ姿

こんなに弱々しかっただろうか

忘れ 忘れ 忘れたいのを 

忘れたつもりだった

 

僕の胸は 知っていた

今でも 愛してる

君に出会って やっとわかった

 

あの頃 僕は これが愛なのかと

決めつけるだけの 何もなかった

やわらかな 弾けるような想いだった

 

知らぬうちに

君の名を口ずさんでいた

 

愛かもしれないと 

気づきはじめたとき

君は消えてしまった

 

今ならいえる 君を愛してると 

僕は 忘れられなかった

今もこんなにも愛してる