史の詩集  Fuhito Fukushima

福島史(ふくしまふひと)の詩集です。

足跡     536

足跡

 

あまりの苦しさに 街を飛び出して

誰もいない雪野原 倒れ伏せたまま

顔をうずめて 冷たさ 心の底から感じてた

 

一所懸命 歩んでた 

よき時代の過ぎたことに

気づかなかった

 

焦燥感は 敗北への鐘だった

酔うて 酔うて うぬぼれて

いつの間にか 自分を失っていた

 

あまりの恥ずかしさに こぶしを打ちつけ

振り乱した髪は 凍ついたまま

涙がいやにあたたかく 頬を伝った

いつの間にか 何もかも裏切られた

 

苦しさの中の ささやかな悦びが

何より大きかったのを 気づかなかった

 

あのときから 歩んだ道に 

足跡はなかった

自分は残っていると

信じていたのに