史の詩集  Fuhito Fukushima

福島史(ふくしまふひと)の詩集です。

別れ     538

別れ

 

新しい人生の門出だと人は言う

卒業の 顔には微笑み 心に別れ涙

 

いつの間にか 美しくなって

近寄りがたくなった君が

蝶のように羽をのばす

 

君は飛んだ 春の盛りに

君は微笑んだ 日の光を浴びて

 

信じていた 君の笑顔

いつの日か 君が舞い降りてきてくれること

いつの日か 君が僕にとまってくれるかも

 

君は通り過ぎた 僕の上を

一目みることなく 通り過ぎた

 

何もかも その日のため

君のために 僕は生きてきた

 

一言残さず去ってしまった君に

僕は見守ることさえできない

 

どうか 幸せになってくれ

 

君が去ったあと 僕の心の中に

その香りは 薄くぼんやり 広がっていった

 

君は行った 夏の盛りの山

君は戻らない 青空深く

信じていた 君の瞳

 

いつの日か

いつの日か

 

君はまぶしくなった 太陽そのものに

輝いていた目は 涙にくもったが

何もかも

いとしい君