史の詩集  Fuhito Fukushima

福島史(ふくしまふひと)の詩集です。

駅のホームで     550

駅のホームで

 

昔、別れたその人がいた

駅のホームに立っていた

ぼんやり空をみつめてた

 

春の光の中に

まるで妖精のように

きらきらと輝いていた

 

春の風の中に

遠く想いをはせるように

髪をながしていた

 

停まった列車に目もくれず

発車のベルも聞こえないの

 

髪とスカートの裾が

少し乱れた 

ただそれだけで

変わらず空をみつめてた

 

昔 愛したその人がいた

春の陽気の中に

溶け始めたつららのように

冷たい涙 きらきらしていた

 

春の暮色の中で

何かに思い焦がれたように

胸に手をあてていた