史の詩集  Fuhito Fukushima

福島史(ふくしまふひと)の詩集です。

さびしいひと その後     553

さびしい人 その後

 

さびしさを失った人は知りました

笑顔も喜びも 希望も夢も

自分が好きなように

心をあやつることを知りました

 

確かに自由でした

でも ほんとうに自由では

なかったのかもしれません

 

一日の始まりが朝起きることで

一日の終わりが夜寝ることだと

知りました

何もかも新鮮な世界でした

 

何もかも幸せになったとき

初めて幸せを感じました

 

そしてそれに導かれるように

不幸がめぐる人生を知りました

 

色とりどりに塗られたキャンパスが

真っ白な画用紙より美しいでしょうか

 

その人の心は色づいてしまいました

いろいろな色が混ざって

何ともいえぬ色になっていきました

 

すべての色が混ざってしまうと

色は薄汚くなるものです

 

透明だった その人は

いつの間にか 街の色に

染まっていました