迎春
昔 別れしその人の
今に至りぬ 面影 消ゆることなく
近づけぬのは 耐えれども
遠ざかれぬのは 苦しかりけり
忘れざりし君 今 再び
春の生気を吸い込んで
青づきはじめし色の美味
雪溶けて 春の至り感じるとも
淡き想い動きはじめぬ
白き雪におさえられし
小さな芽も再び
ほのかに香る 色の気を
春の風に消ゆる髪にまぎわして
その想い どこに馳せるか
その心の守りを知りたや
その胸に秘めたるものは
いかなるものぞ
雪溶け 氷に閉ざされていた
我の心にまた一途
重き想い宿りぬ