史の詩集  Fuhito Fukushima

福島史(ふくしまふひと)の詩集です。

迎春     554

迎春

 

昔 別れしその人の

今に至りぬ 面影 消ゆることなく

近づけぬのは 耐えれども

遠ざかれぬのは 苦しかりけり

 

忘れざりし君 今 再び

春の生気を吸い込んで

青づきはじめし色の美味

 

雪溶けて 春の至り感じるとも

淡き想い動きはじめぬ

白き雪におさえられし

小さな芽も再び

 

ほのかに香る 色の気を

春の風に消ゆる髪にまぎわして

その想い どこに馳せるか

 

その心の守りを知りたや

その胸に秘めたるものは

いかなるものぞ

 

雪溶け 氷に閉ざされていた

我の心にまた一途

重き想い宿りぬ