史の詩集  Fuhito Fukushima

福島史(ふくしまふひと)の詩集です。

花びら     556

花びら

 

雪どけた茶色い地面は 

冬の冷たさを残している

いつものように 

春の光を浴びていれば

よかったはずなのに

 

どこからまぎれ

吹かれてきたのか

一枚の花びらが

舞ってきた

白く色づきはじめた

桜の花びらだった

 

その美しさを

出し切れないうちに

哀しく舞わされ

美しく咲く

夢をたたれた

花びらだった

 

そんな不幸な花びら

でも十分なほど美しかった

 

あたり一体に香をつけて

濡れた地面に吸い込まれた

 

地面は冬の眠りを解かれた