史の詩集  Fuhito Fukushima

福島史(ふくしまふひと)の詩集です。

一言     565

一言

 

この都会の中に投げ出された

君を守ってやりたいと

遠く故郷を後にして

君を追ってきた

 

こんなにそばにいるのに

遠い心 もてあまして

君を見つめているだけ

 

そんなにしてまで

君は暮らしていく

この人ゴミの中に

その美しさを投げ出して

 

澄んだ水が流れる

空の高い 山に囲まれた

静かな街が

君には

ぴったりなのに

 

それをいいたくて

何とか君のところを

訪ねていったけど

僕が口にできた

そのたった一言は

「がんばれよ」

 

僕が君の恋人だったなら

君を連れ戻しただろうに