ふるさと
ふるさと 思い出 心にしまわれたものを
訪ねに帰ってきました
うつろになったこの心
若き日のたぎりを確かめたくて
もう一度だけと 帰ってきました
ああ これがふるさとの匂いです
僕の生れた街
そして 君と暮らした街
あのころの思いをこめたものは
どこにもないし
別れらしい別れもできず
去ってしまった 君もいないけど
ふるさとは 僕の母 今でも
暖かく 抱いてくれる
君をみつけた つかの間の喜びは
君と幸せをつかんだ人がいた
あまりに さびしくて
あまりに かなしくて
君と別れた覚えはないけれど
何をいまさら 言い訳なんて
君の幸せ願って 離れた僕なのに
ふるさと 思い出 心に沈めていたものを
そっと 掘り返しにきました
おちぶれてしまった この自分
若き日の大きな夢を確かめに
あのとき 涙ひとつみせず
君は去ったし
君の思い出 多すぎる この街を
ただ苦しくて見捨てた僕だけど