かごのなかの鳥 577
かごのなかの鳥
とても美しく整った羽でした
たくましく伸びた羽でした
いつも考えるのです
この羽でどこまで飛べるかって
いつも思うのです
あの雲の上までいけるだろうって
空想の世界が あの青空よりも広いのは
不思議なことです
そこにいる限り いつも飛べたのです
どこまでも 飛べたのです
だから この青空をよぎることなど
大したことでは なかったのです
いつも そこまでです
いつも それでおわりです
もう飛んでしまったことになるのです
いくら考えても同じです
何度考えても同じです
僕には羽があるんです
でも 僕はかごの中にいるのです
だから 僕はそこまでなのです