史の詩集  Fuhito Fukushima

福島史(ふくしまふひと)の詩集です。

思慕     580

思慕

 

昔 別れし その人の

雪降る窓にうつるとき

底に沈みし 我が血潮

ほのかにたぎりぬ

 

花散りし 心の酔ひの慰めに

君と歩きし この道も

白く悲しく 乾きにけり

 

鳥飛びし 心の声の歓びに

君をみつめし この街も

今はただに 羽を休めぬ

 

雲染めし 心の旅の終焉に

君と交わせし 杯も

明日はなき 別れのなごりかな

 

禁断のリンゴを 食べて

アダムとイヴは ひとところなり

我 ゆえに 君を遠く思うべし

君いずこにいるか 知らずとも