小石ころころ
道端に転がっている小石にも
それぞれ心あり 思いもあります
その小石が
たとえば 愛を語ったり
夢を抱いたりすることもあるでしょう
小石にすぎた身分なんていわないでください
飾り気のない小石は
誰よりも純で素直なのです
心を隠すなんてことはしないけど
誰も心をわかってくれないのです
たとえば 小石はみんな同じなんて
へんな平等思想を持っている人は
小石がいかに一つひとつ個性的な
顔をもっていることを知らないのです
あるいは 小石なんて存在を
気にかけたことのない人は
ごちゃごちゃにくだいた砂利を
思い浮かべるのです
小石は小石です
細く長く道の片隅に
わずかに一つ二つ佇んでいるのも
水の底 泥の中に うずもれて
静かに 土の肌触りに触っているのも
それぞれの 小石なのです